アメリカの学校〜日本とはちょっと違う修学旅行事情
日本の高校の一大イベントと言えば修学旅行ではないでしょうか?
しかし別の記事で書いた通り、アメリカの高校は単位制でいわゆるクラスというものがありません。
では、クラスみんなで楽しく行く修学旅行というものはそもそもないのか?
答えはイエスでもあり、ノーでもあります。今回はアメリカの修学旅行事情をご紹介します。
いわゆる修学旅行はない
日本で言うところの、クラス単位で旅行に行くという意味での修学旅行はアメリカにはありません。少なくとも私が通っていたイリノイ州にあるAdlai E. Stevenson High Schoolにはありませんでした。
Adlai E. Stevenson High Schoolについてはこちら:
そもそもクラスがないので、行くためのグループがありません。他にも、日本でならクラス単位で行われる行事も基本的にはありません。
授業や部活単位での修学旅行に代わるイベントはある
それでは修学旅行はないのか?というと、そういうわけでもありません。
「修学旅行」という名称ではありませんが、授業や部活動の一貫として旅行に行く機会はあります。
私の場合は、吹奏楽部に入っていましたので、吹奏楽部で旅行に行きました。
※厳密には、吹奏楽は「部活」ではなく「授業」でしたが、ここでは便宜上「吹奏楽部」と記載しています。詳細はこちらに書きました。
私の所属していた吹奏楽部では一年生から四年生が所属していて(高校は四年制でした)、二年に一回、旅行に行くチャンスがありました。
そうすると四年間で二回、旅行に行けることになります。
一回は行き先は決まっていて、なんとフロリダのディズニーワールドです。ただ観光で行くのではなく、ディズニーのパレードにマーチングバンドとして参加させてもらえます!
これは一生に一度の稀有な体験だったと思います。
もう一回は、その他の任意の旅行先になります。
吹奏楽部は活動も多く、一緒に過ごす時間の多い仲間もたくさんいて仲が良かったので、日本の修学旅行のような感じで楽しむことができました。
学外の留学・学習イベントに参加する機会もある
続いて、学外の宿泊イベントについてもご紹介したいと思います。
留学プログラム
私は、高校二年生の時に、People to People Student Ambassador Programという文化交流プログラムに参加する機会がありました。
このプログラムは、もともとはアイゼンハワー大統領の時に冷戦の緊迫感を緩和する手段として始まったもので、1995年に再開しました(今は留学プログラムは終了してしまっているようです)。
プログラム参加者は「学生アンバサダー」と呼ばれ、訪問先で積極的に文化交流をすることが求められていました。
私が参加したプログラムは、約40人の様々な学校から集まった高校生(もともとの知り合いは一人もいませんでした)で、ヨーロッパ5カ国(イタリア、フランス、スペイン、モナコ、バチカン市国)を三週間かけて周るというものでした。
その準備として、半年ほど月に一回の集まりがありました。そこで徐々に一緒に参加する人たちと交流を深めてからの本番でした。旅の中では、観光もたくさんしましたが笑、三日間のホームステイプログラムなどもあり、現地の人や文化に触れる機会も多くありました。
観光する中で印象的だったのは何といってもヨーロッパの歴史的な建物たちです。着工から100年以上経過した今も建築中(2034年についに完成予定だそうです!)の世界遺産「サグラダ・ファミリア」は造詣も美しく、規模も大きく圧巻でした。
また、ホームステイ先ではフランスの伝統的な家庭料理を食べたり、乗馬を楽しんだり、果てはディスコに連れて行ってもらったりと、あまり普段できない経験をさせてもらいました。
イタリアではジェラートがとっても美味しくて一日に二回くらい食べていました笑
このPeople to Peopleのプログラムは、高校生時代に行ったとても印象的で楽しい旅行となりました。
こういった学校の内外での活動の機会が多く提供されているのもアメリカらしいと言えるかもしれません。
学習プログラム
もう一つ、十日間ほどとある大学のキャンパスに泊まり込み、プログラミングについて学ぶという学習プログラムにも参加したことがあります。
こちらもさまざまな高校から参加者が集まっており、もともとの知り合いはいない中での参加でした。
前述のPeople to People のプログラムと違い、観光などの要素はなく純粋な学習プログラムでしたが、十日間宿泊するので一緒に参加した人たちとはかなり仲良くなれました。
休み時間には卓球をしたり、交流する時間も持てました。
学習プログラムの内容は、グループごとに相撲のような、円の中かから先に出た方が負けというゲームを戦うロボットを実際にプログラミングするという内容でした。例えば、「線に触れたら内側へ移動を開始する」といった条件づけをして、ゲームに勝てるロボットを作成していきます。
最後には実際に試合形式で勝敗を競います。実際にロボットを動かし、ゲーム形式で戦うことで、より実践的なプログラミングに触れることができ、ますますプログラミングが好きになるきっかけとなりました。
こちらもやや長期の宿泊プログラムということで自分にとっては高校時代の大きな思い出の一つになっています。
修学旅行はないが、同級生と旅行する機会はある
アメリカの高校にはいわゆる修学旅行はありませんが、同級生と旅行に行く機会が全くないかというとそんなことはありません。授業や部活、さらには学外の宿泊プログラムなども充実していました。
自主性を重んじるアメリカらしいなとは思いますが、修学旅行に準ずる経験がしたい場合は、事前にそういう機会が用意されている部活や授業を選んだり、学外のプログラムを探す必要があります。
アメリカの高校で旅行に行きたい!という方はぜひ自分にぴったりの部活やプログラムを探してみてください^^