簡単!詩の英訳のやり方
こんにちは、実はXで細々と詩を書いているSherriです。
Xのアカウントはこちら: https://x.com/poemy14/
私は日本語&英語の両方で書いていますが、時に日本語で書いたものを英訳したり、逆もしたりしています。
詩を英訳したくても、意外とどこから手をつけていいか迷う方もいるかもしれないと思い、今回私がやっている詩の英訳の方法をご紹介することにしました。
難しい理論や方法論ではなく、私が実践しているシンプルなやり方のご紹介です。
※プロに学んだ内容ではなく、あくまで独自の方法ですので、その点はご了承ください。
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Table of Contents
まずは直訳する
詩の英訳が難しいという方は、もしかしたら最初から詩的な英語を書こうとしているのかもしれません。
もちろんそうできたらベストかもしれませんが、ハードルが高ければとりあえず全部直訳してみることから始めます。
ただし、それでは詩にならなさいことが多いですから、その訳文をいじって詩になるように直していきます。
吹き出し「英語が得意で直訳しなくても最初から次のステップである単語の入れ替えができる!という方はこのステップは飛ばしてOKです。私もちょくちょく飛ばしています」
単語を入れ替える
直訳ができたら、次はその直訳にこだわらず、単語を入れ替えていきます。
なぜそうするかというと、英語と日本語で詩的に響く言葉やフレーズが異なるからです。
日本語では詩的で綺麗な雰囲気なのに、英語に直訳するとただの文章になることはありませんか?まさにただ直訳して、それで終わってしまっているからです。
英語でも、言いたいことは崩さずに、単語を入れ替えることで詩の雰囲気を担保します。
実例
実際に私が書いた詩でご説明します。まずは日本語です。
月が落ちたら
太陽が昇る
そう信じて
進むしかない。
続いて英語です。
When the moon falls,
the sun shall rise.
Believe so,
and move forward.
ここでは前半部分について解説します。ほぼ直訳ですが、少しだけ言い回しを変えています。
「月が落ちたら太陽が昇る」これを直訳すると “If the moon falls, the sun will rise”です。これでもいいかもしれませんが、私は “if”や “will”の響きが詩的ではないと感じたので、 “when”と “shall”に置き換えています。
Before: "If the moon falls, the sun will rise."
After: "When the moon falls, the sun shall rise."
このように、単語を少し置き換えるだけで雰囲気が変わります。
そんな都合よく単語を思いつかないよ!
そういった場合は、違和感のある単語を類語辞典を使って調べてみると、ちょうど良い単語が見つかるかもしれません。
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語順の入れ替え・削除
続いて紹介する方法は語順の入れ替えや削除です。
直訳すると、詩が冗長になってしまったりリズム感が失われることがあります。
そこで、あえて語順を入れ替えたり少し削除したりすると詩をすっきりさせることができます。
実例
再度先ほどの詩を見てみます。
月が落ちたら
太陽が昇る
そう信じて
進むしかない。
When the moon falls,
the sun shall rise.
Believe so,
and move forward.
後半部分を見てください。「そう信じて進むしかない」を直訳すると、 “We have to move forward by believing so” となり、詩的ではないばかりか、英語としてもいかにも訳しましたという感じです。
これは特に “by”という単語が無理やり前後を繋げている感じになっているためです。そこでこの無駄を省くため、 “Believe so”を先に 持ってきます。これで “by”を抜くことができます。
さらに、 “we have to”というフレーズも詩を冗長にしているのでカットし、シンプルに “move forward”としました。
Before: "We have to move forward by believing so."
After: "Believe so, and move forward."
この英語を直訳すると「そう信じなさい、そして進みなさい」となり、今度は日本語にすると違和感満載ですが、もともとの意味はキープされており、英語の詩としては雰囲気が出ています。
このように、ちょっとした語順の変更や言葉の削除で、詩の体裁を整えることができます。
必要に応じて意訳に直す
単語の入れ替えだけでは詩が改善されない場合は、思い切って意訳するのもありです。
例えば、詩というよりはキャッチコピーですが、以下の内容を素敵に英訳したいとします。
倒れた時こそ
起き上がるチャンス
これを直訳すると “When you fall down, it’s the chance to stand up”となり、なんだか説明調でイマイチです。そこで以下の通り意訳してみます。
When you fall down,
you can stand up.
直訳ではなくなりましたが、意味は元の内容と通じており、リズム感も良い感じです。ちょっと難易度はあがりますが、単語や語順の入れ替え・削除だけではうまくいかない時は、試してみてください。
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韻を踏まなくてもリズムは意識する
もう一点意識したいのは、「リズム」です。
これは何も韻を踏めということではありません。もちろん韻を踏めたらベストかもしれませんが、そもそも日本語から訳している時点でそれはかなり難しいでしょう。
そうではなく、自分が読んでみた時にリズミカルかどうかを考えます。これは日本語の詩と同じですね。
どこで区切って改行するのか、実際に口に出してみながらリズムを感じつつ検討します。
読んでみて、日本語の方と同じく詩としてのリズムがあればOKでしょう。
もう一つ実例
私が書いた詩でもう一つ実例を挙げます。
川沿いを
流れに任せて
歩いて行くと
必ず
たどり着く
広い海
人生の道も
きっとそう
When I walk
by the river
with the stream
Will always
find
the vast sea
This is
the way of life
解説
まず直訳すると、 “If I walk by the river, and go with the flow, surely will arrive at the vast sea. The way of life is also so.”となります。なんだか冗長で詩的な雰囲気はあまりありません。
そこでまずは単語の入れ替えを試みます。先ほどと同じく”if”を “when”にすると良さそうです。 “flow”はありがちなので “stream”にしてみます。 “surely”はなんだか詩的ではないので、 “always”にします。 “arrive”はこのままでもいいのですが、見つけるという “find”の方が響きが良かったのでそちらを採用してみました。
この時点でのビフォーアフターは以下の通りです。
Before: “If I walk by the river, and go with the flow, surely will arrive at the vast sea. The way of life is also so.”
After: "When I walk by the river, and go with the stream, will always find the vast sea. The way of life is also so."
続いて、語順の入れ替えです。 “The way of life is also so”が冗長な感じがするので、前後を入れ替えて シンプルに“This is the way of life”とします。
最後に単語の削除です。 “and go”がリズムを遮っているので削除してみます。
Before: “If I walk by the river, and go with the flow, surely will arrive at the vast sea. The way of life is also so.”
After: "When I walk by the river, with the stream, will always find the vast sea. This is the way of life."
最後にタイトルについて検討します。日本語のタイトルは「歩み」です。直訳すると"steps"や"walk"となりますが、日本語の「歩み」が持つ広い人生の歩み的な雰囲気がありません。そこで、今回は思い切って意訳することにしました。「歩み」を通して「人生の道」について書きたかったので、「私の人生の道」から連想し"My way"としました。
これで完成です。だいぶすっきりし、また詩的になったのではないでしょうか。
まとめ
今回は詩の英訳方法について書きました。
まずはシンプルに直訳し、その後①単語の入れ替え、②語順の入れ替え、③単語の削除をしていくことで体裁を整えます。その際にリズムにも注意しましょう。また、必要に応じて意訳をするとより英語らしい響きになることもあります。
詩の英訳に挑戦する皆さまの一助になれば幸いです^^
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